第1回技術評価実験を実施しました

2021.09.03

 7月26日、兵庫県広域防災センター(兵庫県三木市)にて、日本で1回目となる「安全かつ効率的な災害初期対応」(FASTER)プロジェクトの技術評価実験が実施されました。

 この技術評価実験にあたっては同センターのほか、一般社団法人地域再生・防災ドローン利活用推進協議会(RUSEA)兵庫三田支部、神戸市消防局(垂水消防署)、東北大学、そして認定NPO法人日本レスキュー協会(五十音順)のご協力を得ました。また、関西学院大学からジュリ・ティヘリノ教授とそのアシスタント、そして大学院生5名および学部生2名がスタッフとして参加しました。

 この技術評価実験は3つのシナリオに分けて行われました。救助活動には通常「探索」と「救助」の二つの段階があるのですが、今回は「探索」に焦点を当てて行われました。

シナリオ1 災害救助犬実証実験
 「地震が発生し、瓦礫(がれき)に2人が埋まった」との想定の下、瓦礫訓練施設を使用して実施されました。
 救助犬1頭目が、GPSによる位置情報の把握とカメラによる現在地の状況の把握が可能となるサイバー救助犬スーツ(東北大学の開発による)を着用して探査を行い、要救援者の位置を把握しました。
 続いて、救助犬2頭目がサイバー救助犬スーツを着用して探査を行い、要救援者の位置を確認し、瓦礫に埋まった人を発見しました。

シナリオ2―1 野外評価実験
 「地震が発生し、瓦礫(がれき)に5人が埋まった」との想定の下、瓦礫訓練施設を使用して実施されました。
 ドローンが飛行し、現場の様子を映し出しました。そして2Dマッピングによる地図が生成されました。
 救助隊員はCOP(中央管理コンピューター)と無線を併用しながらミッションを共有し、探索活動を行い、瓦礫に埋まった人を発見しました。

シナリオ2-2 屋内評価実験
 「地震に伴う火災が発生し、建物内に1人が行方不明になった」との想定の下、屋内訓練場に設置された模擬迷路を用いて行われました。
 ドローンが飛行し、現場の様子を映し出しました。そして2Dマッピングによる地図が生成されました。
 救助隊員がARグラスとスマートウォッチを着用して建物内に入り、ARグラスに映し出された地図を見ながら、探知を行い、迷路の中に隠されていた人を発見しました。

この技術評価実験においては、猛暑に見舞われたために精密機器の動作に支障を来す場面もあったのですが、本センターが中心となって開発した分散型台帳技術AIngleの実用化に向けたデータの取得などの、一定の成果をあげることができました。

本実験に協力いただいた各組織の皆さま、ご協力者各位のご尽力に心から感謝申し上げます。

なお、この技術評価実験の模様は神戸新聞三木支局様ならびにサンテレビジョン様に取材いただき、両社の媒体にてご報道いただきました。

【報道内容】

1.サンテレビジョン『NEWS×情報キャッチ+』
放送日:2021年7月26日
動画が下記のURLにて公開:
https://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2021/07/26/41016/

2.神戸新聞朝刊三木版 
発行日:2021年7月27日

なお、このプロジェクト欧州委員会HORIZON2020および国立研究開発法人科学技術振興機構戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)の委託案件です。

FASTER H2020 助成番号 833507 SICORP 助成番号 JPMJSC1811